自然堂はりきゅう院の名前の由来②

インドネシアで考えたこと

インドネシアのジャカルタの全寮制の盲学校で指圧や東洋医学を教えていました。(2002年~2004年)
住居も学校の敷地内にあり、食事は生徒たちと一緒に食堂でとり、夜遅くまで話したり、ときには議論をしました。(2001年の同時多発テロのあとだからよく政治が話題になりました)
また、食事や生活環境の違いにより、インドネシアではよく発熱や下痢をしました。
そんな時、仲の良いインドネシア人は食事を持ってきてくれました。
こんな場合、日本だとお粥やポカリスエットですよね?
ところがそれはなんと油がどんぶりいっぱいのヌードルでした。
現地では油は貴重品なのでカロリーをとって元気になってねということだったと思いますが、さすがに食べられませんでした。(匂いを嗅いだだけで吐き気がする( ;∀;))
健康な時であればインドネシアの食事は好きなのですが、体が弱っている時はこころの底から日本食が食べたい!味噌汁飲みたい!と思いました。
ちなみにインドネシア人に味噌汁を飲ませたら「しょっぱくて飲めない!」とのこと。
「身土不二」の言葉が身に沁みました。
※「身土不二」もとは仏教用語、身と土(環境・食べ物)は分けられず、身体とその土地の環境、食べ物は切っても切り離せないという考え

私たちにはこころのふるさとだけではなく、体のふるさともあるのだと身をもって知りました。
そして、インドネシアでも伝統医学があり彼らにとっても身近で信頼していました。

果たして日本人にとっての伝統的な食事や伝統医療の現状はどうでしょうか?
戦後急速に欧米化する食生活や医療制度により、私たちにとって本来身近であるべき伝統医療と少し距離が出ているのが現状じゃないでしょうか?

日本人や日本社会には日本の伝統医学、日本の鍼灸がより必要なのではないか?
帰国して開業したらやっぱり日本の鍼灸をやりたい!日本人の身体のふるさとをつくりたい!と思うようになりました。
(つづく)