自然堂はりきゅう院の名前の由来①

開業する鍼灸あん摩マッサージ指圧師が最初に考えるのが「治療院の屋号」です。
簡単につける人もいれば、考え抜いてつける人もいます。
どちらかというと私は後者です。

「自然」をつけたこだわり

最初に修行させていただいたところが経絡治療という日本で生まれた鍼のやり方でした。(今時珍しい弟子入りです!)
先輩の弟子が開業すると「~堂」という屋号をつけていたので、私も開業したら「○〇堂」にしようと思っていました。
日本人なら日本の伝統医学の日本的な「はり」をしたい!と学生時代から考えていたので、経絡治療の先生のもとでの弟子入りさせていただいたのは非常に幸運でした。

日本の鍼ってどんな特徴があるかというと一言でいうと「自然治癒力を高める」という事だと思っています。
(黄帝内経の研究家の松田博公先生によると、ヒポクラテス医学経由で中国にはない日本の特徴的な思想とのこと。)

日本のはりって?

「病気になるために病気になるのではない。自らを癒すためには、病気にならなければならないから病気になるのである。」(和田啓十郎)
病気は否定的なものではなく、命の蘇りのために通過しなくてはならない肯定的なものとの意味です。

風邪を引くとは言いますが、風邪に罹るとは言いません。
風邪を引きこむことにより、カラダの調子を整える積極的な意味でとらえることもします。

このように日本の思想の底流には二者を明確に分けず、対立構造にしない「和」の精神があります。

また東洋医学には正気(治癒する力)と邪気(病気にしようとする力)という考え方があります。
日本的東洋医学観を「邪正一如」と言います。病気と健康はお互い一体化して考えます。

一方、中医学は「邪正抗争」(病と体が戦う)という病を敵と捉えます(西洋医学もそうですね)

このように日本的な「はり」や東洋医学的な考えで治療をしたい、との意味を込めています。

では、なぜ私が日本的な「はり」や考えで治療をしたい。また表現したいと思ったのかは、修行先の影響だけではなく、海外(ケニア・インドネシアにそれぞれ2年間住んでいました)での体験が大きいと言えます。

(つづく)