医史学研究者の長野仁先生の講習会を開きました!

自然堂の西山です。

実は!この4月から杉山検校遺徳顕彰会の理事に就任しました。学術部担当です。

学術部は年に6回、著名な臨床家を講師にお招きして講習会を開催しております。

今年度の第一回講師は、森ノ宮医療大学大学院教授の長野仁先生でした。

先生の講義は、東洋医学に基づく、人の身体のメカニズムを紐解く素晴らしいものでしたので、ご紹介いたします。

  • 人間の身体は生きているだけで疲れるように出来ている?

 東洋医学では、健康の基本を「頭寒足熱」、つまり頭が涼しくて足元が温かい状態が良いとされています。

 ・本来、熱(陽の気)は上にのぼりやすく、冷え(陰の気)は下に溜まりやすい性質があります。

 ・これをコントロールして「頭寒足熱」にするために、人間のエネルギーのルート(経絡)は、自然の法則にあえて逆らうように流れているのです。

 自然に逆らってエネルギーを巡らせているため、私たちは「一日中、何もしなくても生きているだけで疲れる」し、バランスが崩れると「夜に顔がのぼせたり、耳鳴りがしたり、目が充血したり」します。

 鍼灸治療は、この「生きているだけで疲れてしまう」身体のアンバランスを、元の正しい循環に戻すお手伝いをしています。

  • 体の中で繰り広げられる「エネルギーの戦い」

 ・四つん這いから人間へ:私たちは重力に逆らって、体を起こして歩いています。

 ・骨や筋肉を作る力:背中から湧き出たエネルギーが、噴水のように広がって「肋骨(あばら骨)を作ります。

 ・お腹側でギュっと集まる力:そのエネルギーがぐるっとお腹側に回ってくると、今度はお 腹の筋肉(腹直筋)をキュッと引き締め、食べ物を飲み込んだり、胃で消化したりする強力な「吸引力」になります。

 ・内側から押し返す力:お腹側がギュッと縮まりすぎないように、今は体芯(少陰)から、内側から外側へ押し返す力が働きます。

このように、「外から閉じる力」と「内から押し返す力」が絶妙なバランスで引きあっているからこそ、私たちは健康なスタイルと内臓の働きをキープできています。鍼灸は、この引き合う力の強さを調整しています。

  • 右半身と左半身を接着する「命の火」

東洋医学では、空間的には「左が陽(エネルギー)、右が陰(物質)」とされますが、体の中を流れるエネルギーはその真逆になっています。

・右半身:目に見えない「気(エネルギー)」の力が強い

・左半身:栄養や潤いを与える「血(けつ)」の力が強い

この「右の気」と「左の血」が、お腹の下のほう(下焦)で、まるで嵐のようにお互い交流し合っています。この交流のエネルギーを「命門(めいもん)の火」と呼びます。

この「命の火」が元気によく燃えている人ほど、右足と左足の足運び(股関節や膝のスムーズさ)がしっかりして、元気に歩くことができるのです。「足元にお灸をすると元気になる」と言われているのは、この命の火を絶やさないためでもあります。

本記事は、長野仁先生(森ノ宮医療大学大学院教授)の理論レジュメをもとに、一般の方向けに解説したものです。

今後も講習会毎に内容をご紹介していきますので、乞うご期待ください❤

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