シュリーマン旅行記 清国・日本

自然堂の五味です!

近年、海外の人が日本を訪れ様々な感想や印象をSNSにあげ、それが客観的に日本社会を知るきっかけになっている方も多いかと思います。
同じようなことは幕末や明治に来日した外国人の手記や記録からも、当時の日本の様子をうかがい知れてとても興味深いですね。日本や日本人とはどんな国、人なのか?そこから日本の伝統医学について考えるきっかけを得ることがあります。

ハインリッヒ・シュリーマンとは

シュリーマンは1822年ドイツに生まれ、優れた語学力や商才を発揮し、巨万の富を築きました。その後41歳の時に長年の夢であったトロイア遺跡の発掘のためにすべての経済活動を打ち切ってしまいます。その後1865年、世界漫遊の旅にでました。インドから海路、香港、上海、日本へ訪れます。

この手記は横浜港を離れ、サンフランシスコへ向かう、船中50日の間に書き上げられました。その後アメリカ東海岸からハバナ、メキシコを巡りパリに落ち着き、考古学を学び、トロイア遺跡発掘に成功したのは1871年、本書の旅から6年後です。

当時の日本は尊皇攘夷が雰囲気であり、外国人の江戸入りがほとんど禁止されていたにもかかわらず、噂に聞いていた日本・江戸へたどり着く様子は冒険心をくすぐります。

シュリーマンの言葉

決して西洋を基準に評価しない態度が印象的です。

「・・・日本に来て私は・・・ヨーロッパの寝室を満たしている豪華な家具調度など、ちっとも必要でないし、それらが便利だと思うのはただ慣れ親しんでいるからにすぎないこと、それら抜きでも十分やっていけるのだとわかったのである。もし正座に慣れたら、つまり椅子やテーブル、長椅子、あるいはベッドとして、この美しいゴザを用いることに慣れることができたら、今と同じくらい快適に生活できるだろう。・・・」

「主食は米で、日本人にはまだ知られていないパンの代わりをしている。日本の米はとても質が良く、カロライナ米よりも優れている。」

「家族全員が・・・めいめいに碗を手に取り・・・、器用に箸を使って、われわれの銀のフォークやナイフ、スプーンではとても真似のできないほどすばやく、しかも優雅に食べる」

「日本人はみんな園芸愛好家である」

「日本の住宅は清潔さのお手本である」

「浴場は通りに面していて、夜明けから日暮れまで老若男女が一緒に湯につかっている」

「初めて共同浴場に通りかかった際に「なんと清らかな素朴さだろうか!」と驚嘆した」

「・・・この国には平和、行き渡った満足感、豊かさ、完璧な秩序、そして世界のどの国にましてよく耕された土地が見られる」

「玩具の仕上げは完璧、仕掛けが巧妙」

「彼ら(日本人の役人)に対する最大の侮辱は、たとえ感謝の気持ちからでも、現金を贈ることであり、また彼らのほうも、現金を受け取るくらいなら「切腹」を選ぶのである」

日本文明論

サントーぺテルスブルグへ帰るとすぐに、友人たちはきっと、私が日本の文明をどう見たかと尋ねるに違いない。私のほうは答える前に、こう問わざるを得ない。すなわち「君は文明という言葉をどのように理解しているか?」と。

もし文明という言葉が物質文明を指すなら、日本人はきわめて文明化されていると答えられるだろう。なぜなら日本人は、工芸品において蒸気機関を使わずに達することのできる完成度に達しているからである。それに教育はヨーロッパの文明国家以上にも行き渡っている。シナも含めてアジアの他の国では女たちが完全な無知の中に放置されているに対して、日本では、男も女もみな仮名と漢字で読み書きができる。

著書の清国での体験と日本への好奇心に満ちたまなざしは、私たちにも新鮮でかつての活き活きとした日本人社会の新しい発見になるでしょう。

貸し出し無料の自然堂の院内文庫に置いておきますので良かったら手に取ってみてください!