韓医学ツアー・体験記③
さて怒涛の如く過ぎ去っていく韓医学ツアーも最終日。
昨晩は深夜まで生マッコリを飲み明かした余韻を抱えつつ、次なる訪問先はお灸治療院!
実はガイドさん、本当は私たちに観光もしてもらいたかったそうで、寿城池に行く予定でした。
が。ツアー参加者は観光より韓医学を満喫するんだ!と意見が一致。(さすが鍼灸マニアたち)
ガイドさんの知っているお灸屋さんへ。ここが一般的な灸治療院かはわかりませんが、すごく良い体験をすることができました!
韓国のお灸がすごかった
実は韓国に来る前から風邪が治った後の咳喘息のようなものが少し残っていたんですね。むせるような咳で結構長引いていたんですよ。それが結果的に良くなった。カラダを強力に温めることって大事なんだ、と実感。日本でも温めたりお灸したりしてたのですが、熱量が足りなかったかもしれない。徹底的に温める病機ってあるんだな。
まずは着替えて、横になる。その上にお腹部分が露出できる形の毛布をかける。
床は竹製でその下に床暖房(オンドル)が効いていて温かい。
へその上に竹筒を置き、中の網に紙を敷きその上に塩を入れる。塩は岩塩のような粒状のもの。塩の上に大きな艾の塊をいれて、火をつける。
この孟宗竹がまた立派で、日本の竹筒灸より太くずっしりしている。
艾の火が消えると交換してくれる。薄暗い部屋には20人は同時に横になれるスペースがある。
刻だけがゆっくりとすすむ。
1時間ほどまどろみながら横になる。
もうこれ自体がマインドフルネスになっている。奥では韓国の患者さんが威勢よくいびきをかいている。
ゆらめき立ち上る煙を見上げながら贅沢な時間だなーと感じる。
次は男女に分かれて座薫の部屋へ。座薫とは日本ではヨモギ蒸しとして知られています。ヨモギ蒸しというと女性疾患などを思い浮かべ女性が受けるイメージでしたが、これがまた気持ちいい。
腰巻きをつけて下着をおろし、便座のようなものに座ります。イスの中には艾が燃やされ、艾の煙と熱が肛門から吸収されていく。肛門から直腸、下半身に熱が入っていくイメージを持つ。臀部は大きな脂肪もあり、血流が悪くなりやすいのでこれはもう、シンプルに気持ち良い。同じ部屋で友人と語らいながら過ごす時間もまたいい。
一通り終わると、なぜか咳がでない。体が冷えていたのか・・・温泉から上がったようなふわふわする感覚。水分はしっかり取る。日本でこれをやるとなると岩盤浴かな~なんて思いながら治療院を後にする。
最後に
最後の最後まで韓国料理。ちなみにホテルの朝食会場も韓国式(*’▽’)
韓医の言葉に東洋思想・哲学が詰まっているように感じた。これが古来より病に苦しんでいる人たちを元気づけ、孤独な人に寄り添ってきたのだろう。
医療というのは身体の健康を取り戻すだけが役目ではない。すくなくとも伝統医学は。
伝統医学はその国の伝統産業に関わることでもあり、食や植生などその国の人々の深層意識に根付いている。
現代のニーズに合わせながら、古代から変わらぬ価値を保つことは大変ではあるが官民一緒になる強さ、しなやかさを韓国に感じた。
中国では文化大革命があり、日本は明治維新があった。それまでのつながりを変えてしまった。韓国に学ぶ点は大きいのではないか。
日本の医療は不安を煽りビジネス化している。
私の治療院では不安を売る場所ではなく、安心を提供する場所にしたい。
そんなことを思う韓医学体験でした。