西洋医学の哲学とは…

ここ十年間

「脳内革命」
「がんと闘うな」
「平穏死」
「長生きしたいなら医者にかかるな」
「自然治癒力」「免疫力」「統合医療」
「病ではなく、人をみろ」
…などなど

これまでの医師の価値観とは違う価値観や立場で、同じく医師が提唱・著述した言葉や本がベストセラーになっています。

しかし、当時から鍼灸師の立場からすると「そんなの当たり前じゃん」「ようやく西洋医師も分かってきたか」
そんな雰囲気でした。

しかし、仮に鍼灸師が上記の事を訴えても「怪しいこと言ってる」的に誰からも理解されないのが悲しいのですが…

上記のような事を提唱すると、その医師は(医学界の中ではお偉い)先生に
「死は敗北だ」
「医者がそんなこというな」
と叱られたそうです。

まさに西洋医者からすると、それまで一生懸命やってきたことを否定されるわけですから面白くないのでしょう。

でもこれが西洋医学の本質なんですね。

「病気は治すもの」

もちろん、治せる病気などには結果が出、それが現代の信頼感につながっています。
しかし、高齢化が進むと治らない病気が多くなります。
むしろ、あるのが当たり前。

患者は良くならないので、私達東洋医学に来院します。(皮肉なことに激増しています)

西洋医師は一向に改善されない患者にはお手上げです。

では東洋医学の様に「生・老・病・死」が自然なものだという立場では、病気を抱えていても、その人丸ごとを受け入れたり、日常生活が少しでも楽に・楽しく・気持ちよくなってもらいたい、と思って患者さんと接する。
「病」「死」にスポットを当てるのではなく、「生」にスポットを当てています。当然、健康な時に来てもらって構わないのです。

患者さんから西洋医師の態度や暴言の不満をよく聞かされますが、この差は非常に大きいです。

一般社会はこの西洋医師の論理が常識になっています。

そして残念ですが、東洋医学である鍼灸師が「西洋医学的発想で治療すること」が多くあります。
「○○専門治療院」「○○治療法で○○が治る!」
とか…

西洋医学の治療の本質は病気は医師が治すもの
東洋医学の治療の本質は病気は患者自身の力が治すもの

いま盛んに言われる
エコ、ロハス、反原発、環境保護…こんな発想も実は東洋思想では持ちえたものなんですが…

東洋医学を東洋思想で実践したい、私のベクトルは明確です。

by 五味哲也

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