原発へ行く人…

明日、原発へ向かう人とゆっくりお話をすることができました。

「この仕事を断ったらクビかもしれませんから行くしかないんです。他に仕事もありませんし…」と話されてました。

この方は被災後、自宅のあった町へ戻ったそうです。
そこでは報道されてない生なましいお話を聞く事ができました。

車で駅前に行くと逃げ出した牛達が群れていたそうです。

そして、その方の車が止まると沢山の飼い主の無いペットの犬猫達が、方々から出てきて集まってきたそうです。
きっと餌がほしかったのか、さみしかったのか、飼い主と思ったのか…

その方の飼いネコも家で死んでました。路上にもペットの死骸があったそうです。

首都圏の電力の恩恵は福島原発で賄っていました。それなのに私は何もできない。

我々の生活の為に、この人は故郷をなくした上、地震後家族にも会ってない状態で、再び原発に作業しに戻らなければなりません…

「同情」や我々の消費生活の反省を言葉で表す以上に、何かをしたくて、何かバックの中で渡して勇気づけられるものがあるかを探しました。患者さんから頂いた缶ビールがありましたが、辞去されましたので文庫本をお渡ししました。

タイトルは「葉隠の叡智」

はたしてこの本がふさわしかったのかどうか、未だ分かりかねますが、「歴史の本ですか?」と興味深そうだったので良かったのでしょう。

by 五味哲也

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