なぜ鍼灸師になったのか?
自然堂はりきゅう院 西山です。
なぜ、鍼灸師になったのか?とよく聞かれます。
鍼灸が世の中を救うと確信したから、と答えてます。
東洋医学に基づく鍼灸は、現代病に効果が高いと身をもって実感した経験からそのように思いました。

自己紹介でも述べたましたが、
20代の頃は競技をしながら、事務の仕事をしていました。本当は保育士とか介護士がやりたかったのですが、競技がハード過ぎて、デスクワークではないと体力的に無理でした。自分らしくないなーと思いながら、会計補助や契約書関連、電話のクレーム対応などやってました。それはそれで、人間関係も含めて勉強にはなったのですが。
30代は子育て一色でした。さすがに子育てに忙しくて競技どころではなく、子育てが一段落した辺りから5年間ほど保育士をやっていました。子供達と過ごす時間は楽しく、子供の賢さ、たくましさ、感性の鋭さに感心することしきりでした。どんな年齢の子も天性の感性が備わっていて、大人の下手な嘘なんて簡単に見破られる。「子供だまし」なんて言葉は無いよね、ずーとこの子達と過ごしたいなーと思いながら、保育園を退職して、鍼灸学校に入りました。当時働いていた保育園では、園長のトップダウンが厳しく、自分の考えが反映できなかったのが転職の大きな理由です。いつも上司の顔色を窺いながら保育をするより、東洋医学の可能性を夢みながら仕事をしたいと思いました。

鍼灸の道を選んだもう一つの理由は、自分自身の体調の悪さです。
20代の頃から日々体調が悪く、それが当たり前であり、健康な状態を忘れてしまっている、そんな状況でした。競技をやっているから、体力があり健康そうに思われがちですが、いま振り返るとプロ選手並の運動量をこなさないと払拭できない精神的な思いを抱えていたのだと思います。
30代で鍼灸を受けて、すごく体調が改善して、健康を実感しました。体調が整えば、精神的にも整う、「心身一如」という東洋医学の概念を身をもって体感しました。
鍼灸のお陰で年齢を経るごとに健康になっている私ですが、なぜ若い身空で何十年も辛苦を味わってきたのだろう、と思うこともありました。しかし、その経験も今となっては自分の強味でしかありません。そんな経験のある私が同じような境遇の方に共感することができ、辛苦を分かち合うことができれば、こんなに有難いことはありません。
鍼灸は、西洋医学ができないことをカバーできる、二千年以上の歴史がある、と素晴らしいことがたくさんありますし、前述の通り、鍼灸が世の中を救う可能性を夢みながら仕事をしたいと思って鍼灸師となりました。が、現場に出た今となっては、患者様の心身ともに辛い状況を共感できる立場にある点が何より有難いと感じています。正確さが命の事務仕事よりも、子供達との楽しい触れ合いの保育の仕事よりも、自分としては患者様と相対せる位置にいることに日々感謝しかありません。これからも感謝と共に鍼灸の道を歩んでいきたいと思っている次第です!
